活性化しない会議には大きく2つの問題があり、それへの対処が6つの帽子思考法の基本設計となっています。
<その1>
問題:多くの人が黙ったままで発言しない
原因:司会者の問いかけが「何か意見がある人?」と曖昧なため、どんな種類のコメントを言うのが適切かの空気が読めない
対処:「あり得るリスクについて意見を出してください」といった形で司会者が思考モードを特定して質問する
<その2>
問題:議論が並行線となり、さらには勝ち負けを決める場となる
原因:異なる思考モードの混在。例えば明るい可能性を探りたい人と、あり得るリスクを特定したい人の意見はかみ合わない
対処:「今は全員が〇〇の思考モードで議論してください」と司会者が特定する
具体的には6種類の色の帽子が用意されており、司会者の指示で全員が同じ色の帽子をかぶって(かぶった気になって)意見交換を行います。
ポイントは、警戒と注意を促すことです。相手の上げ足を取ってリスクを指摘し、議論に勝つのが目的ではありません。建設的な姿勢だからこその警告を行う思考モードです。参加者全員が同じモードで発言します。
例:「面白いビジネスモデルですが、参入障壁が無いように思います。すぐに競合に真似される可能性が大変気になります。」
主として司会者がかぶる帽子。ポイントは、議論のプロセス全体を俯瞰することです。会議の目的を常に意識し、出た意見を整理したり、次回に向けてのToDoなどを確認したりします。
例:「本日の会議で決定されたことは、〇〇と△△の2つです。よろしいですね。」
ポイントは、この帽子の時だけは、コメントの背景としての理由や根拠を説明する必要がないことです。好き嫌いに理由はありません。理屈抜きの直観を共有する場面でもあります。参加者全員が同じモードで発言します。
例:「働くママさんを支援するビジネス。是非やるべきです!」
ポイントは、中立な立場で、客観的に事実に注目することです。現存する事実の共有を行うと共に、これから獲得すべきデータ・情報を洗い出します。
例:「観光地でのハラル食ビジネス案についてですが、そもそも1年間に日本を訪れるイスラム教徒の数は何人程度なのでしょうか?」
ポイントは、プラス面に着目し建設的に議論に臨むことです。メリットを探ったり、期待できる成果を予測します。また享受できそうな利益や喜ぶ人たちの姿などをイメージするのもこの帽子です。
例:「この希少な技術があれば、今までの3倍の価格でも売れますよね。」
ポイントは、あたりまえを疑うことです。現実性にとらわれない「跳んだ」アイデアを出し合います。
例:「1000円のジーンズが話題になりましたが、100円のジーンズが実現したら凄いですよね。」
6つの帽子思考法を使って30分で深く議論するお勧めの手順がありますので、以下に紹介します。