ハーズバーグの動機づけ・衛生理論

「ハーズバーグの動機づけ・衛生理論」とは、アメリカの臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグが提唱した仕事の満足および不満足を引き起こす要因に関する理論です。

 ズバーグと感じる要因と不満と感じる要因には、相関関係はなく、200人の技術者と会計士を対象に、仕事に関する満足感についてヒアリングを実施したところ、人が仕事に不満を感じる時は、その人の関心は自分たちの作業環境に向いているのに対し、仕事に満足を感じる時は、その人の関心は仕事そのものに関連しているということが判明しました。ハーズバーグは前者を『衛生要因』、後者を『動機づけ要因』と名づけています。

  衛生要因

『衛生要因』は職場環境に関係があり、代表的な項目は、以下のとおりです。

  会社の方針と管理

  監督のされ方

  仕事上の対人関係

  作業環境

  身分(職制)

  安全保障

  給与

 

一般的に、上記項目が不足すると人は仕事に不満を感じます。それぞれが満たされたからといって仕事に対する満足感につながるわけではなく、単に仕事の不満を予防する意味しか持ちません。『衛生要因』は、マズローの欲求段階説でいうと、「生理的欲求」「安全・安定欲求」と「社会的欲求」の一部の欲求を満たすものとなっています。

 

  動機づけ要因

『動機づけ要因』は仕事の内容に関連があり、代表的な項目は、以下のとおりです。

  達成

  承認

  仕事そのもの

  責任

  昇進

  成長の可能性

 上記項目が満たされると人はその仕事に満足をします。欠けていても仕事に不満を感じるわけではありません。『動機付け要因』は、マズローの欲求段階説でいうと「自己実現欲求」「自尊欲求」さらに「社会的欲求」の一部に該当する欲求を満たすものとなっています。

 それぞれの要因は独立して存在しており、『衛生要因』は仕事の不満を予防する働きを持つ要因であるのに対して、『動機付け要因』はより高い業績へと人々を動機づける要因として作用しています。つまり、人の欲求を満たしたり満足度を高めるためには、いくら『衛生要因』を満たしたり高めたりしても無駄になってしまい、『動機付け要因』を充実しなければ欲求は満たされないということです。『衛生要因』は人にとって「当たり前」と感じられるものであり、満たされていて当然という要因です。逆に『動機付け要因』がいくら満たされていても、衛生要因が満たされていない場合には、不満が非常に大きくなるのです。