プロセスワークを活用した組織開発とコーチング ~バランスト・グロース・コンサルティング

SERVICE/TEAMDVチーム開発

時代背景により、チーム運営の難易度は上がっている

社会の変化がますます激しくなっている昨今、「チーム(集団)の力を引き出すこと」の重要性はかつて以上に高まっています。思うようにチームの力を引き出せないのは、必ずしもマネジャーの力量低下が主な要因とは限りません。下記のような、時代背景を含む様々な要因から、チーム運営の難易度自体が上がっているということも大きな要因でしょう。

インプット(戦略):
不透明な環境下ではっきりとした戦略が打ち出せない。又は背景が十分説明されない

プロセス(組織−人材):
多様性や働き方改革推進の中で、メンバー個人、又は部署毎のエゴや主張が強まったり、業務負担の不平等が発生しやすい

プロセス(人材−文化):
・会議では受身/防衛、又は攻撃/防衛スタイルになりやすく、建設的な対立にならない
・メンバーとリーダーで望むリーダーシップ・スタイルや組織文化のイメージが異なる

アウトプット:
・結果が出ない中で経費削減の号令に過剰に反応し、短期視野に陥る
・そういう状況の中でリーダーが暴君化するか無力化し、チームが機能不全に陥り、退職者も増える

もしこうした状況に陥っていたら(あるいは、陥る懸念があれば)、メンバーの取りこぼしやメンバー間の摩擦を抑えながらチームに変化を起こす「チーム開発」は、非常に有効な打ち手になります。

 

BGCが提供するチーム開発とは?

以下の要素について、立場を越えて自由に議論・対話のできるチーム環境を整え、我々のいなくなった後でもチームの好循環が持続するように、当方のノウハウを惜しみなく伝授しつつ変革の支援をしていきます。

Situation(状況)
チームのこれまでの背景(歴史)、戦略、問題症状

Task(重要課題)
意図する成果にむけて取り組むべき重要課題・優先順位の認識合わせと、その具体化・役割分担の明確化

Intention
タスクと役割の意図

Concern(懸念)
各人が感知したチーム成果に影響する機会や脅威(現状と可能性の間にあるギャップの感覚)

Coordination(調整)
タスクやリーダーシップについての懸念・フィードバックをチームがどう調整・活用するか

 

当社の「チーム開発」へのアプローチ

集団が何らかの変化に直面しているとき、「変革の必要性」、「方向性」、「進め方」について、必ず心理的な葛藤が生じています。多くの場合、この葛藤から目をそむけたり、無理に“火を消そう”とする傾向があります。しかし、そうすると消しても消しても火は燻り続け、集団の関係性もパフォーマンスも悪化していきます。
火(=葛藤)の本質を理解しよう”とするスタンスによって初めて、葛藤は集団の生命力と創造性に寄与する前向きなエネルギーに変化します

葛藤を前向きなエネルギーに転じるために、私たちは

情報収集:組織内・外の関係者が、「その場の状況(タスク・関係性)」と「今後の可能性」についてどう考えているのか、情報を集めての俯瞰

状況の見立て:何が葛藤の本質なのか、どの関係性にどのように介入することから始めるのが良いのか、プロセスワーク(個人と集団の変容心理学)を用いて、事務局とともに状況の見立て

を行い、どのようなアプローチがよいかを検討しながら進めていきます(この過程で集団を「見立てる」ノウハウを共有していきます)。

 

【プロセスワークによる集団の「見立て」の4つのポイント】

(1)変化への抵抗(エッジ)を探る:

組織変革で重要なのは、変化への「心理的抵抗」をいかに扱うかです。

プロセス指向心理学ではこの抵抗を「エッジ」と呼びますが、個人も集団も「エッジ」の意識化、見える化ができないと、不必要な「怖れ」が生まれ、変化前の姿(1次プロセス)に戻ろうとしてしまいます。

私たちは、個人と集団の「エッジ」を丁寧に分析し、当事者たちがしっかり「エッジ」に向き合いながら対話することを支援して、本当の変革を促していきます。


(2
)ディスターバー(Disturber)もアトラクター(Attractor)も変革を促す

変化を促す大きな力は2つあります。1つは、これまでの心地よいスタイルを揺るがす「ディスターバー」。例えば、外部環境の変化で売上が下がれば、変わっていかざるを得ません。

もう一つが、「エッジ」を超えても先に進ませようとする力となる「アトラクター」。例えば、原点に立ち返り、意欲を燃やすことのできるようなビジョンなどです。

(3)主流派・非主流派モデル

「多様性」が重要課題である昨今ですが、組織というものには、常に主流派非主流派が存在します。例えば、主流派が上司、非主流派が部下の場合で考えてみましょう。

上司が部のミッションを部下に伝え、部下がその指示に対して懸念を持っているとします。しかし両者の関係が悪いと、非主流派は懸念の声を主流派に伝えずに飲み込み、その場にいないかのように存在感を消してしまいます。この状態を「ゴーストロール化した」と言います。このゴーストロールが大きくなってくると、チームの雰囲気の悪化や顧客サービスの悪化など様々な症状が生じてきます。

(4)ランクと組織内葛藤

主流派・非主流派モデルと密接に関係するものに「ランク」という概念があります。ランクとは、他者に影響を与える力のことです。「組織内の役職」のようなものもあれば、「ある特定のトピックについて詳しい」ことなど、様々なものがあます。

集団に属する誰もが何らかのランクを持っていますが、お互いのランクを上手く使えていないと集団に様々な問題が生じてきます(例: 主流派の上司が自らのポジションというランクを攻撃的に使うことで、非主流派の部下が現場のオペレーション情報に詳しく、その視点からチームに有益なアイデアを持っていても発言できなくなってしまう)。

チーム開発プロセスにおいては、こうした症状の背景にある声を、全体のために、有効に扱えるようファシリテートしていきます。例えば次のようなステップを踏みます。

①症状を通して「ゴースト」の存在に気づく

②ゴーストの声を主流派に聞いてもらうスペースをつくる

③聞いてもらう

④主流派が変化する

⑤ゴーストも変化する

 

【最近手がけた事例】

・新規事業子会社の立ち上げ:2日間(オフサイト)

・破綻しかけたプロジェクト・チームの立て直し:4ヶ月(合計3回のオフサイト)

・新経営チームの関係性強化(製造−販売–開発の部門横断チームワーク強化):4ヶ月

・新外国人トップと日本人経営チームのチェンジマネジメント:2日(オフサイト)

・長年放置された製造業 営業チームの立て直し:4ヶ月(オフサイトと2週間に半日のチームコーチング)

これらの事例の中から、いくつかを具体的に紹介します。

 


事例1:新規事業子会社の立ち上げ(2日)

【相談の背景(クライアントの状況と問題意識)とテーマ】

社内の新規事業として、新しい事業立ち上げを準備していたが、いよいよ本格的に子会社としてスタートするに当たり、30人の社員が本体の各事業部から公募で転籍することが決まった。

今回の新規事業は、親会社の慣れ親しんだ得意市場でもない分野に後発で参入し、先行企業の弱点・盲点を突きながら事業化していく難易度の高い挑戦だった。

この市場の新たなKSFを探り、試行錯誤しながら仮説検証をスピーディに回し、勝利を拡大して新たな優位性を確立していくのが社員のミッション。だが、親会社から来る30名は成熟した事業モデルの中、サラリーマンとして「敷かれたレールの上で指示を待ちながら、波風立てないことを良しとする文化」で育ってきた人材。そうした彼らが、起業家的なマインド、起業家チームの文化にシフトしていけるかが危惧された。

そうした中で、本オフサイトでは、彼らのモードの切り替えと、オフサイト後のチームワークのイメージ共有、及び意図的、かつ自覚的に協働関係を結びながら過ごすための土台をつくることを狙い、「最初の100日間で組織として覚醒するための新会社キックオフ・チームビルディング・オフサイト」として、2日間の合宿を実施することになった。

<合宿プログラム>

 


事例2:プロジェクト・チームの立て直し(4ヶ月)

【相談の背景(クライアントの状況と問題意識)とテーマ】

深刻な顧客クレームが繰り返し起こる状況を改善するために、比較的大手の戦略・業務改革系のコンサルタントを1年前から投入しかなりの金額と労力を投入したが、状況が改善するどころか、プロジェクトにアサインされたメンバーのコミットが一向に上がらないクライアント企業。

多くの関係者が、現状のままコンサルタントの契約が終了したら、間違いなく大きな問題が起きると認識しているにもかかわらず、「一肌脱ぐ」くらいの犠牲心を持って取組もうとする人が皆無という状況。

そうした中で、同じ事業部内の部門横断で、それぞれの不満を吐き出すとともに、お互いの立場にも立ち、何が自分達の変革を止めているかを明らかにし、上下ともに変革に向けてベクトルを揃えるような対話の設計と運営(ファシリテーション)を相談された。

【チーム開発プログラムの仕立て】

1回目 リーダー~ミドルリーダーを集め、組織長とのリーダーズ・インテグレーション

2回目 特定のWG(2018年4月から開始しているプロジェクト活動)メンバーを集めての対話

3回目以降 WGのリーダーへのコーチング

【成果】

事業部長(執行役)〜グループリーダー(次期課長)課長までのベクトルが揃い、変革チームとして1枚岩になった。この活動の中で当初「リーダーシップがない」と非難されていた部課長がマネジメントとして一段覚醒し、変革のリーダーシップを発揮し始めた。

<プロジェクトメンバーの感想>

グループリーダー1:
皆と一つのゴールを一応話せたので意味のある時間。自分の取り組みは、自分の業務とそれ以外、生産管理チームの平準化を意識したい。

グループリーダー2:
これまでぼやっとしていたが、方向を具体的に話せたのは有意義だった。今後、推進していくことになれば自分のチーム、業務まだ完璧に理解していないので、スキルアップ・理解含めて主体的にリードしていきたい。

グループリーダー3:
最後に有意義な時間になってよかった。その前の2日間もやもやしていた。リソースの話、個人的にもすごく困っているので、単純に人を増やすではない話になったので皆で考えたい。改善の気持ちあるのに、思考停止になりかけていたので皆で頑張りましょう。人材フル活用を自分で本気で考えようと思う。

課長1:
3日間、チーム外のメンバーと話す機会がなかったので、方向性を話せたのはよかった。この先、どう進めるか、またこのメンバー以外と活動しないと成功はできないと思っている。どう巻き込んでいけるか、横連携しながら話したい。

課長2:
3日である程度方向性が見えて、決まってきた。3月から実施しないとならないので、協力して頑張りましょう。数字の話をするとモチベ下がると思ったけど、実際を共有するのは大事だと理解した。

課長3:
本当にたった3回の対話の中でベクトル合わせできるんだろうかと、大変不安でした。この先、ここ以外のメンバーに参加してもらうには、成果を出して見せていくしかない。これからなのでよろしくお願いします。

部長:
冒頭数字の説明。5年前はこんな話はしないでよかったが、厳しい状況の理解はしてもらえた。意見をいただいてミドルの方からも意見を言えたし、改革プロジェクトを実施する必要性は共有できた。非常に大変で苦労すると思います。今日がそのスタートラインだと思うが、できることはやるので、ぜひ力を貸していただいて一致団結してやっていきたい。よろしくお願いします。

事業部長:
今回は私が自分のリーダーシップと組織変革について非常に学ぶことがありました。

 

事例3:新経営チームの関係性強化

【相談の背景(クライアントの状況と問題意識)・テーマ】

事業部の業績が伸び悩む中、製造・販売・研究の各部門が自部門最適の思考に陥っており、組織が事業戦略実行に向かって効果的に機能していない。

その状況を改革すべく色々手を打ってきたが、改革の途中で経営トップ(事業部統括役員)が交代することに。新たな事業統括役員が部門間リーダーシップの実情を把握するとともに、製・販・研の各トップ(上席部長)と変革を推進する経営チームとしての一体感を醸成したい。

【チーム開発プログラムの仕立て】

・主要ステークホルダーへのインタビュー

・部長オフサイト(2日間)

・経営チームオフサイト(1.5日)

・経営チームと部長層の統合セッション(半日)

・一部リーダーへのコーチング

【成果】

すぐに紛糾する部門トップからなる経営チームが、全体最適を考えて建設的な対話ができるチームになった。

事業部における部門内、部門間の関係性と、部長達のそれぞれのリーダーシップ・スタイルを新経営トップが把握でき、その後の部門改革時の人員配置の参考になった。

 

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