プロセスワークを活用した組織開発とコーチング ~バランスト・グロース・コンサルティング

2025年 新年のご挨拶2025年1月14日

2025年 新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

実は2年ぶりの新年のご挨拶となります(昨年の年末年始は私が大きく関与する大型プロジェクトの最中にあって、お恥ずかしながら書けませんでした)ので、今回は私たちバランスト・グロース・コンサルティングの今の姿が少しでも伝わるように
1. この2年の3大重要トピック
2. 今年の3大注力ポイント
3. ご提供しているサービスの全体像

について記していきたいと思います。

 

1. この2年の3大重要トピック

① 組織開発コーチ協会の公開講座体系がほぼ完成
私たちは個人と集団の変容心理学「プロセスワーク」をベースに、実際のクライアントの人材・組織開発に携わる中で培ったコーチングや組織開発に関するノウハウを世の中のマネジャー、コンサルタントのスキル向上にお役立て頂きたいと願い、2021年に一般社団法人組織開発コーチ協会を設立し公開講座を提供しています。その講座に本格的なチームコーチング・プログラム(講座名「GENERATIVE TEAM COACHING:GTC」を加えることができ、国際コーチング連盟(ICF)より、日本で初めて「チームコーチング上級プログラム(AATC)」を提供する機関として認定されました。このプログラムができたことで、個人と集団の両方の変容をサポートする「組織開発コーチ」養成のための講座体系が整いました。
https://www.odcoach.org

②ミドルの経営者化を進めるプロジェクト・ラーニングが進化
ミドルを巻き込んだプロジェクト・ラーニングを機能させるには、例えば次のようなステップを踏んでいきます。
・事業部TOPが直下の研究所長、営業本部長、生産部長などを巻き込んで、経営陣としてベクトルを合わせる
・そのベクトル(ビジョン・戦略)に基づいて、部・課長が主体性を持ってその解像度を上げていく。
・その解像度について経営陣と部・課長が良い対話を行う(新しい組織文化、関係性を体現する)
この2年で大きかったのは、事業部TOP直下の方々に公開講座の1on1コーチング講座受講とその方へのコーチングを追加したことです。その方の人・組織面に対する感度が大幅に向上するだけでなく、我々にとっても組織変革の解像度が格段に上がり、より効果的にプロジェクト・ラーニングを通じた組織変革支援が出来ました。プロジェクト・ラーニングの具体イメージは弊社取締役の西田・山碕著「組織が変わらない3つの理由」に詳細事例が記載されていますので、ご興味のある方はご参照頂けましたら幸いです。
https://amzn.asia/d/1qp7ctB

③次世代の巻き込みと活躍
どの組織もサクセッション(後継者)は大きな課題だと思いますが、御多分に漏れず弊社にとっても大きな悩みです。そこで毎年2回やっていた取締役が集まっての経営合宿に、未来を共創してくれそうな次世代を巻き込んで拡大経営リトリートを2023年3月から始めました。これまでのヒストリーを共有し、お互いのハイドリームを確認し、未来の可能性を対話するオフサイトミーティングを合計4回行ってきました。この中から宮本大輝さんが情熱を持って松村憲(弊社取締役)と作り上げたのが公開講座のチームコーチングであり、立野夏樹さんは今や弊社の事業推進エンジンとして営業、プロマネ、マーケティング、ファシリテーター、コーチと八面六臂の活躍をしています。小畑怜美さんも公開講座1on1コーチング講座を山碕学(弊社取締役)と作り上げ、松井美歩さんも左脳・タスク面の整理も強いエグゼクティブ・コーチとして活躍し、事業会社の人事の立場ながら参加して頂いている岡田美紀子さんも1on1コーチング講座の講師他様々なプロジェクトでご助力いただいています。誌面の都合で拡大経営合宿メンバー全員に触れることができませんが、今後さらに参加メンバーを拡充しながら事業のサクセッションを進めていきたいと思います。
https://www.balancedgrowth.co.jp/member

 

2. 今年の3大注力ポイント

本年2025年は次の3つが大テーマになると思っています。

①クライアント組織のピープルマネジメント向上支援
機会ギャップが大きくなる中、ピープルマネジメント力が管理職の強化スキルとして重視されてきていると感じています。しかし例えば2日間の集合研修では意識変容にはつながっても、行動変容まではつながらないという問題意識をお持ちの会社様が増えている印象です。行動変容は「8週間意図的かつ自覚的な行動と振り返りを繰り返す」と実現するという黄金ルールがありますので、このルールに沿って、スキルインプット、実践、振り返りを行う、一般マネジャー向けの「1on1コーチング講座」を階層別研修に組み込みいただくプログラムを多くの企業様に勧めていきたいと思います。1onコーチング講座だけでなく、「(一般マネジャー向け)チームファシリテーション講座」も本年中の開講を目指します。

②プロジェクト・ラーニングの型を進化させる
何年もプロジェクト・ラーニングをやっているとテーマの傾向は見えてきます。どのテーマであっても「プロジェクトマネジメントの基本」「ファシリテーション」「個人のリーダーシップスタイル」の3つをカバーしながら、経験豊富なファシリテーターのその場力でカバーする部分も大きいのが実情です。ただしよくある一方的なワークショップの型はハズす可能性も大きいので、むしろ大きな戦略フレームワーク(事業戦略や生産材マーケティングの基本フレーム)を深めるための「思考力深化」のモジュールを開発したいと思っています。

③コミュニティー・ラーニング
公開講座には人事の方々も多くご参加いただいていますが、その方々が講座終了後も継続的に、組織が直面する機会ギャップの状況をプロセスワーク的に見立てて、効果的な打ち手を考えていく、実践的学習コミュニティとして「戦略的組織開発ラボ〜プロセスワークの知恵を応用し、組織の葛藤・対立を超える〜」をスタートします。

 

3. ご提供しているサービスの全体像
これまで記してきたような取り組みをしている私たちですが、改めて弊社サービスの全体像を簡単にご紹介したいと思います。
昨今は「外部環境の変化」と「内部環境の変化」の間の「機会ギャップ」が起きやすい状況です。私たちはこの状況は「機会ギャップ」を埋める努力を通じてリーダーとチームが育つ絶好の育成環境であると捉え、「戦略的組織開発」サービスを提供しています。


 
この「戦略的組織開発」は具体的には、例えば下図のような組織状況に対して5パターンのサービスを提供しています。
 

・パターンA:広く会社や事業部全体、または特定のマネジメント階層別にアプローチする(全体的に黄色信号)
 – 経営合宿(中期計画の伴走から入るパターンが多い。後継者計画なども扱う場合もある)
 – 次世代経営リーダーやミドル対象の自社課題※プロジェクト研修(※テーマ例:ミッション、ビジョン、バリューの策定、事業戦略、新製品開発、組織宮度改革、部門関連系など)
・パターンB:上長の理解・協力を得て、部長または課長へのコーチングを実施する
・パターンC:1人のリーダーの引き上げだけでは状況が改善しそうにない場合はチームコーチングを盛り込む(職場内であればメンバーを巻き込んで。職場間の場合は関連する複数部門の部課長を巻き込んで。)
・パターンD:組織とリーダーへの信頼はなく、社員間には激しい対立や諦めがあり、実質的にチームが崩壊している
・パターンE:社内人材・組織開発(OD)力を上げる
 – 社内の人材・組織開発力を上げる:
  ・人事部:企画部やHRBPのOD力向上研修
  ・人事部へのODコーチ(アドバイザリー)派遣 
  ・研修/ワークショップ・コンテンツ提供 
  ・課長代理層などに対してコーチング力、ファシリテータートレーニングを実施する

2025年もクライアント、受講生の皆様が直面する機会ギャップと向き合いながら、共に成長できる1年を目指していきたいと思います。

松田栄一