2015年02月16日 松村 憲 [バランスト・グロース フェロー]
本年3月の半ば頃に、BAB出版より『日本一わかりやすい マインドフルネス瞑想』という本を出版する運びとなりました。グーグルやインテルが社員研修に取り入れるなど、昨今注目の集まるマインドフルネスですが、僧侶や心理学者としてではなく、1人の実践者、心の専門家、ヨガや瞑想指導者、自覚の心理学でもあるプロセスワークの専門家・・・といった私独自の背景や視点から本書を執筆しました。
この本は学問の堅苦しさや、仏教の縛りからも自由な視点から、読者目線に寄り添いつつ優しく書くように務めました。QAも通じて、わかりにくい所、引っかかりやすいポイントなどにも応えています。さらに、マインドフルネス瞑想を本当に続けることの意味を書いています。それは自己を成熟させること、自己を解放する道に通じています。 誰もが自分を成長させたり、変化をしたいと望むでしょう。とはいえ、心の世界をよくよく観察するなら、私たちのアイデンティティやエゴ(自我)と言われるものが、いかに変化を嫌うかという性質に直面せざるを得ません。その時、マインドフルであることが辛くなるかもしれません。しかし、それは正しく瞑想できている証拠です。ただ、心地よさを感じたり、不快感とともにいたり、無関心である自分にマインドフルであることは、心の忍耐力をつけると同時に、浄化につながります。こうした心のカラクリについても解説しました。
マインドフルネスを毎日の生活に取り入れていくことが自分の目指すことでもあります。それは仕事の時間にも、電車を待つ間にも工夫できます。また忙しさに心を亡くすのではなく、マインドフルな一瞬が増えたら幸せをより感じ取れるでしょう。また人間関係においてもマインドフルであることは可能です。嫌いな相手との関係性をどのように扱うことができるかのヒントなども本書に盛り込みました。紹介したマインドフルネス瞑想には、全ての基礎力となる呼吸を見つめる瞑想、心身をつなぐ身体を見る瞑想、より日常に近い気づきを培う歩く瞑想や音の瞑想、食べる瞑想の他に、エネルギーを浄化して運気を高める白光瞑想というものも入れてあります。
先の読めない現代にこそ、スティーブ・ジョブスのようにマインドフルなリーダーが必要とされるでしょう。マインドフルであるほどに、既成の価値観から自分を解放できます。また、今ここに寛ぎとらわれの少ない人には、イノベーションに繋がるような洞察や直感が降ってくるものです。地球や自然との繋がりを理解するには、自分という自然(小宇宙)を知ることが助けになります。日本人の自然観にもある「無常」は、本来すべてのものが変化しているという真理なのかもしれません。マインドフルネスを身につけ、自己を成長させつつ、世界に貢献するビジネスパーソンにも本書を手に取ってもらえたら嬉しく思います。